まほろば【現代編】

iii

ハルカを家まで送り届けてから、しばらく真人を探して回ったが、結局何の成果もあげられずに一度家へと戻った。

鳥居の前を通り過ぎるときには、紗綾のことが頭を過ぎったが、その紗綾の姿はもうすでにそこにはない。

その時は、深く考えはしなかった。

ただ、紗綾も家に戻ったのだろう――それぐらいに考えていた。

そして、部屋に戻った俺を待ち受けていたのは思ってもみなかった告白だった。

部屋の中には四人の男たちが俺が戻ってくるのを待っていた。

全体的に紅い印象の強いホムラはいつものことだから特に驚きはない。

父さんがそこにいたのも、この事態を重く見て慌てて戻ってきたのがわかる。

人の足だったから、ホムラとシロに遅れをとって先ほど戻ったばかりなのだろう。

問題はあとの二人だ。

ただ、そのうち一人は見覚えがあった。

均整のとれたがっしりした体格に、床につくほどの長い蒼味がかった黒髪。
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