まほろば【現代編】
今までは、アオの代わりに真人がいたわけだが、その真人が今一番の問題児だ。

「飛龍、とりあえず座りなさい」

父さんに促されて腰を下ろすと、現在の状況を父さんが説明し始めた。

「飛龍は、アオとは面識があるんだな?」

頷くだけで返すと、再び口を開く。

「結界の張りなおしが失敗に終わったときに、例の青龍の気が集まっていた玉に変化があわられてな。今こうしてここにいる人型へと姿を変えた」

そのことに関しては私からと、父さんの言葉を引き継いでアオが話し出した。

「私は、正確に言えばあなた方がお会いしたアオとは異なるものです。しかし、同じでもあります。私が玉に封印された時点で、何か大事が起こったときに覚醒するように組み込まれていたのです。そして、そのときにはあなた方がお会いしたアオの記憶の全てを引き継ぐことにも」

確か、過去に行く前まではこの時代に青龍は存在していなかった。

ということは、元の青龍がどうなったのかも目の前のアオは記憶しているということだろうか?
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