まほろば【現代編】
シロからアオへと話し手がバトンタッチした。
「彼らというのは、ツチグモという一族のことです」
「ツチグモ……」
父さんの呟くような言葉が聞こえた。
その昔、それこそ古事記や日本書紀の時代にまで遡ることになるだろうが、ツチグモという大和朝廷に与することを良しとしない一族がいたはずだ。
それと、先ほどハルカから聞いた真人の変化のことが頭の中で自然と結びついていた。
妖・土蜘蛛とツチグモ一族、まったく関係ないということはないだろう。
「ツチグモの一族は、それこそヒリュウ様たちがいらしたあの時代よりも前から国の中心にいる存在に対して並々ならぬ憎悪の念を燃やしておりました」
「何でそんな憎しみを抱いているんだ?」
青龍はゆるゆると頭を振ると悲しそうに瞳を細めた。
「私がまだ自分の存在意義に気づいていなかったときに、アキ様たちと土蜘蛛退治をしたことがあります」
悲しみを湛えた瞳のまま静かに語りだした。
「彼らというのは、ツチグモという一族のことです」
「ツチグモ……」
父さんの呟くような言葉が聞こえた。
その昔、それこそ古事記や日本書紀の時代にまで遡ることになるだろうが、ツチグモという大和朝廷に与することを良しとしない一族がいたはずだ。
それと、先ほどハルカから聞いた真人の変化のことが頭の中で自然と結びついていた。
妖・土蜘蛛とツチグモ一族、まったく関係ないということはないだろう。
「ツチグモの一族は、それこそヒリュウ様たちがいらしたあの時代よりも前から国の中心にいる存在に対して並々ならぬ憎悪の念を燃やしておりました」
「何でそんな憎しみを抱いているんだ?」
青龍はゆるゆると頭を振ると悲しそうに瞳を細めた。
「私がまだ自分の存在意義に気づいていなかったときに、アキ様たちと土蜘蛛退治をしたことがあります」
悲しみを湛えた瞳のまま静かに語りだした。