まほろば【現代編】
ツチグモの一族がアキたちの国の中に入り込み、トヨの命を狙っていたこと。
それを阻止するためにアキたちがツチグモの一族そして、彼らが使役していた妖・土蜘蛛を退治したこと。
それ以降は、しばらくは平和な日々が続いたがツチグモ一族はただなりを潜めていただけということ。
彼らを止めるためにアキが旅に出たこと。などなど、長い話を聞かせてくれた。
ツチグモの一族も、何も最初から一族以外の者たちを憎んでいたわけではない。
元々は、他の者たちが彼らに対して行ってきた差別とでも言うべきものによって憎悪が蓄積されていったのだろう。
アオの話し振りから、彼らのことを本当の意味では憎んではいないのが窺えた。
それは、シロもホムラも同様に見えた。
「今回、この神聖な場所へ入り込む役目を与えられたのが、玄武である真人だったのでしょう」
「そうだ。そして、それを導いたのもあの娘だ」
「紗綾が?」
「うむ。元々玄武をその身に宿しておったので、ある程度の緩衝材の役割はそれが果たしておったが、その身の内に宿るもう一つの邪まな存在のために何の障害もなくこちら側に入り込むことは出来なかったはずだ」
それを阻止するためにアキたちがツチグモの一族そして、彼らが使役していた妖・土蜘蛛を退治したこと。
それ以降は、しばらくは平和な日々が続いたがツチグモ一族はただなりを潜めていただけということ。
彼らを止めるためにアキが旅に出たこと。などなど、長い話を聞かせてくれた。
ツチグモの一族も、何も最初から一族以外の者たちを憎んでいたわけではない。
元々は、他の者たちが彼らに対して行ってきた差別とでも言うべきものによって憎悪が蓄積されていったのだろう。
アオの話し振りから、彼らのことを本当の意味では憎んではいないのが窺えた。
それは、シロもホムラも同様に見えた。
「今回、この神聖な場所へ入り込む役目を与えられたのが、玄武である真人だったのでしょう」
「そうだ。そして、それを導いたのもあの娘だ」
「紗綾が?」
「うむ。元々玄武をその身に宿しておったので、ある程度の緩衝材の役割はそれが果たしておったが、その身の内に宿るもう一つの邪まな存在のために何の障害もなくこちら側に入り込むことは出来なかったはずだ」