まほろば【現代編】
「えっ?あ、そうか。私は……ハルカ」
「ハルカか。なかなか良い名だな」
そう言いながら穏やかに微笑む目の前の男が急にわからなくなってくる。
「ハルカ、こっちへ来い」
別に強く言われているわけではないのに、何故かその言葉に逆らえない気にさせられる。
足が勝手に動いてスサノオが寝転がっているベッドの上に私は体を乗せていた。
その様子を満足そうに見ると、ベッドの上で正座をしている私の足の上にスサノオが頭を乗せる。
「オレは疲れた。少し休むぞ」
それだけ言うと、本当に目をつぶってしまった。
しかも、すぐに気持ち良さそうな寝息が聞こえてくる。
私は、呆然とその寝顔を見下ろすしかなかった。
「いったい私にどうしろって言うのよ……」
ポツリと呟いた愚痴は、誰にも聞かれることなく岩の壁へと吸い込まれていった。
「ハルカか。なかなか良い名だな」
そう言いながら穏やかに微笑む目の前の男が急にわからなくなってくる。
「ハルカ、こっちへ来い」
別に強く言われているわけではないのに、何故かその言葉に逆らえない気にさせられる。
足が勝手に動いてスサノオが寝転がっているベッドの上に私は体を乗せていた。
その様子を満足そうに見ると、ベッドの上で正座をしている私の足の上にスサノオが頭を乗せる。
「オレは疲れた。少し休むぞ」
それだけ言うと、本当に目をつぶってしまった。
しかも、すぐに気持ち良さそうな寝息が聞こえてくる。
私は、呆然とその寝顔を見下ろすしかなかった。
「いったい私にどうしろって言うのよ……」
ポツリと呟いた愚痴は、誰にも聞かれることなく岩の壁へと吸い込まれていった。