まほろば【現代編】
「どうしたのー、ヒリュウ？」

何とも締りのないホムラの言葉に脱力していくのがわかる。

「そんなところで立たれていないで、飛龍様もこちらにいらっしゃいませんか？ちょうど、美味しいお茶も入りましたところですし」

四神というものは、焦るということがないのだろうか？

とにかく、言われるがままに部屋の中央まで行き彼らの輪に加わるように座ると、知らず知らずのうちに深いため息が出てしまう。

「ヒリュウ、ため息ついたら幸せ逃げてくよー」

いったいどこでそんなことを覚えたのか、ホムラはまるで大事な話をするかのように眉根に皺を寄せてそんなことを言った。

再びため息が漏れてしまう。

「だーかーらー」

「まあまあ、ホムラも落ち着いて。飛龍様、何かお話があるんじゃないですか？」

アオがホムラを宥めると、こちらに話を振ってきた。

やはり、アオは出来るヤツだという認識は正しいのだろう。
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