まほろば【現代編】
簡潔な説明だったが、その内容は理解できた。

ようは昨日ハルカの力によって真人の体から抜け出すことが出来たということだろう。

ということは、よく考えてみると今現在完璧な四神が揃っていることになる。

白虎は取り込み中ではあるが。

「クロキは何でここに来たの?」

ホムラの素朴な疑問だが、それはこちらとしても気になるところだ。

「大まかなことはマヒトの中から聞いていたので把握している。我の力が必要なのだろう?」

真人と同じ顔ではあるが、性格は全く違うようでいてどこか似てもいるようだ。

「ああ、確かに必要だが、今はその前にその真人を探さなくてはいけない」

「それなら根の国にいるはずだ」

「あっ!じゃあ、もしかしてクロキは根の国に行く方法知ってるの?」

ホムラの問いかけには静かに首を横に振った。

「根の国はスサノオの国。スサノオの許しがなければ入れない。マヒトから離れた今、我が入り込むことはできない」
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