まほろば【現代編】
「いや、あの、夫婦って……。えっ?」

「最初に言ったろう?妻になってもらうと」

「それって、言葉の綾とかじゃなくて?私は、生贄みたいなものだとばかり思ってたんだけど……」

「何故、そのような面倒なことをしなくていけないんだ?それにもったいなかろう。せっかくの女子を贄になどしてしまったら」

「えーっと、それって私があなたのお嫁さんになるって考えていいの、かな?」

「ああ、そうだ」

「い、嫌だ」

思わず呟いてしまっていた。

もちろん生贄も嫌だけど、いきなり昨日今日あったばかりの人のお嫁さんになるなんて。

「ん?何か言ったか?」

「う、ううん。何でもない」

慌てて頭を振るが、思考は同じところをぐるぐる回っている。

そして、最終的に辿り着くのはリュウのこと。

そんなことばかり考えていたら、スサノオの言葉で現実に引き戻された。
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