まほろば【現代編】

ii

どうにか湯浴みを終えて、私はそのまま元いた部屋へと戻された。

お湯に浸かったお陰か、身も心もスッキリした気がする。

まあ、多少恥ずかしくはあったがスサノオの気遣いには素直にありがたいと思った。

ただ……。

思わず自分の体を見える範囲で確認してしまう。

私が着てきた服はどこかに持っていかれてしまい、今は絹地のドレスのようなものを着せられている。

とはいっても、西洋風のドレスというわけではなく、アキなどが着ていた貫頭衣を少し豪華にした感じ。

なので、基本足元まですっぽり包まれるぐらいの大判の絹地を体に巻きつけて、腰紐でとめているだけ。

何とも心もとない格好に思えて仕方がない。

そして、何故か髪の毛も良くわからない髪型に結われ煌びやかな髪飾りまでつけられた。

耳に穴まであけられそうになったから、それはどうにか回避。

いきなりこんなところで穴をあけられたら、たまったもんじゃない。
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