まほろば【現代編】
どうやら、スサノオは約束を覚えていたようだ。

暖かそうな湯気が昇るお粥を見ていると、お腹の虫も勝手に騒ぎ出す。

真人君が信用していたカグヤさんの言うことだから、きっとこれは食べても大丈夫なのだろう。

そう思うともう我慢が出来なくなり、いそいそと椅子に座ると手を合わせた。

「いただきます！」

あまりにお腹が空きすぎていたので、慌てて口に運び思わず目を白黒させる羽目になってしまった。

「っアッツ」

でも、とっても美味しい。

熱いとわかっていても粥を口に運ぶ手は止ることなく、気づけば食べられないだろうと思うほど入っていた粥の椀は、すっかり空になっていた。

「ほー、よっぽど腹が減ってたようだな」

あまりに食べるのに夢中になってたようで、入り口の壁に背を預けてこちらを面白そうに見ている人物に気が付かなかった。

「い、いるならいるって言ってよ」
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