まほろば【現代編】
これには、イリネはもちろん俺も意表を突かれた。
そんな俺たちにお構いなしに、イリネに紗綾を預けると部屋から追い出してしまった。
「父さん、いったいどういうつもりなんだ?」
父さんは、軽く肩を竦めるだけで特に応えようとはしない。
何か考えがあるのだろう。イリネは、確かに敵ではあったが紗綾のことを本気で心配しているのはわかった。
だったら、父さんの判断が正しいはずだ。
「それよりも、月読尊(ツクヨミノミコト)。四神の容態はいかがでしょうか?」
父さんは、表情を真剣なものに切り替えるとツクヨミへと話しかけた。
特に父さんにツクヨミを紹介したわけでもないのに、一発でその人物がツクヨミだと見分ける辺り、さすがは父さんだと感心してしまう。
ツクヨミもそれには特に触れることなく、穏やかな笑みを浮かべた。
「彼らは、しばらく休めば大丈夫でしょう。私も無意識のうちに力を制御していたようで、致命傷になるような傷を与えてはいなかったようです」
サラリとそんなことを言いのけるが、それだけでツクヨミの力が尋常ではないことがわかる。
「だけど、ツクヨミ。お前のその力、どうしてなくなってないんだ?」
そんな俺たちにお構いなしに、イリネに紗綾を預けると部屋から追い出してしまった。
「父さん、いったいどういうつもりなんだ?」
父さんは、軽く肩を竦めるだけで特に応えようとはしない。
何か考えがあるのだろう。イリネは、確かに敵ではあったが紗綾のことを本気で心配しているのはわかった。
だったら、父さんの判断が正しいはずだ。
「それよりも、月読尊(ツクヨミノミコト)。四神の容態はいかがでしょうか?」
父さんは、表情を真剣なものに切り替えるとツクヨミへと話しかけた。
特に父さんにツクヨミを紹介したわけでもないのに、一発でその人物がツクヨミだと見分ける辺り、さすがは父さんだと感心してしまう。
ツクヨミもそれには特に触れることなく、穏やかな笑みを浮かべた。
「彼らは、しばらく休めば大丈夫でしょう。私も無意識のうちに力を制御していたようで、致命傷になるような傷を与えてはいなかったようです」
サラリとそんなことを言いのけるが、それだけでツクヨミの力が尋常ではないことがわかる。
「だけど、ツクヨミ。お前のその力、どうしてなくなってないんだ?」