まほろば【現代編】

ii

ひとまず、四神はそのままにして少し離れた場所に三人輪になるように座った。

「まずは」

そう口を開いたのは、ツクヨミだった。

「お詫び申し上げます」

そう言うと、こちらが恐縮するぐらい深々と頭を下げた。

どう対応すればいいのかわからず、父さんに視線を向けると、父さんは俺を落ち着かせるように一つ頷いた。

「顔をお挙げください。あなたが謝ることではないでしょう」

父さんの言葉にやっと顔を上げたツクヨミだが、その顔は見てるこっちが苦しくなるほど苦悶に満ちていた。

「いいえ。この事態は招いたのは私の不徳の致すところ。どう言葉を尽くしたとしてもあがないきれるものではありません」

「なぜ、そのように申される」

「彼らの呪詛を甘んじて受けたからです。彼らの呪詛は、本来なら跳ね返そうと思えば跳ね返せたのです」

「なんだって!?」
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