まほろば【現代編】
「もともと、ここに結界を張ったのはアキ様なのです」
誰かに聞かせるというよりも、懐かしさのあまり溢れたという感じの言葉だった。
「えっ?」
声を上げた俺に一瞬ハッとなったが、すぐに穏やかな顔に戻ると、言葉を続けた。
「この場所は特別な場所。いわゆる神域です。その中でもとりわけ強い力の集まったところなのです」
「そう、なのか?」
「ええ。ここでなら、その剣も本来の力を発揮することができるでしょう」
その言葉につられるように、鈍く銀色に輝く剣に視線を落とす。
「どうすれば、いいんだ?」
ツクヨミは静かな瞳をこちらに向けながら、口を開いた。
「飛龍様は、泰山府君の儀は?」
「泰山府君……。一応一通りはできるが?」
陰陽道の秘儀中の秘儀として泰山府君祭(たいざんふくんさい)というものがある。
誰かに聞かせるというよりも、懐かしさのあまり溢れたという感じの言葉だった。
「えっ?」
声を上げた俺に一瞬ハッとなったが、すぐに穏やかな顔に戻ると、言葉を続けた。
「この場所は特別な場所。いわゆる神域です。その中でもとりわけ強い力の集まったところなのです」
「そう、なのか?」
「ええ。ここでなら、その剣も本来の力を発揮することができるでしょう」
その言葉につられるように、鈍く銀色に輝く剣に視線を落とす。
「どうすれば、いいんだ?」
ツクヨミは静かな瞳をこちらに向けながら、口を開いた。
「飛龍様は、泰山府君の儀は?」
「泰山府君……。一応一通りはできるが?」
陰陽道の秘儀中の秘儀として泰山府君祭(たいざんふくんさい)というものがある。