まほろば【現代編】
不老長寿を祈祷する祭祀となっているが、もう一つ、死者を生き返らせる術でもあるとされている。
「そうですか。では、飛龍様にはこちらでその泰山府君の儀を行ってもらいます。そうすれば、自ずと道は拓けるでしょう」
「そうか。じゃあ――」
「その前に」
早速取り掛かろうとする俺の気勢を殺ぐように、ツクヨミがまた静かな声をかけてきた。
「泰山府君の儀は、かなりの精神力を要します。まずは、一旦休まれて、再び禊を行ってからでなければ、失敗してしまうでしょう」
考えてみれば、確かにそうなのかもしれない。
以前、父さんにこの祭祀を伝授してもらったときのことを思い出した。
あの時は、軽く型を教えてもらっただけにも関わらず、酷い疲労感がしばらく抜けなかった。
今の疲れきった状態で、泰山府君祭など行えば確かに失敗するに決まっている。
だが、ハルカのことがどうしても気になる。
「そうですか。では、飛龍様にはこちらでその泰山府君の儀を行ってもらいます。そうすれば、自ずと道は拓けるでしょう」
「そうか。じゃあ――」
「その前に」
早速取り掛かろうとする俺の気勢を殺ぐように、ツクヨミがまた静かな声をかけてきた。
「泰山府君の儀は、かなりの精神力を要します。まずは、一旦休まれて、再び禊を行ってからでなければ、失敗してしまうでしょう」
考えてみれば、確かにそうなのかもしれない。
以前、父さんにこの祭祀を伝授してもらったときのことを思い出した。
あの時は、軽く型を教えてもらっただけにも関わらず、酷い疲労感がしばらく抜けなかった。
今の疲れきった状態で、泰山府君祭など行えば確かに失敗するに決まっている。
だが、ハルカのことがどうしても気になる。