まほろば【現代編】
iii
少し体を休めて、再び禊をすませた頃にはもう陽は傾き、夜の帳がおりはじめていた。
神社の境内には俺とツクヨミの二人だけ。
四神は、まだ安静にしていなくてはいけない状態なので、連れて行くわけにはいかない。
父さんは、その四神の様子を見るために残り、紗綾はついてきたがったがイリネにまた何か言われたようで、シュンと項垂れたまま部屋へと引っ込んでしまった。
紗綾には申し訳ないとは思ったが、もとより一人で行くつもりだったので、大人しく引き下がってくれたのは正直ありがたい。
ツクヨミは、この場に一緒にいるが、それは一緒に行くわけではなく、ここの守りを完璧にするために来ている。
妖をすべて夜の国に帰したとは言っても、こちらから結界を施さない限り、夜の国との扉は開かれた状態にある。
そのため、俺が根の国に行っている間、手薄になってしまうので一時的な扉の鍵の役目を担うために、俺が戻ってくるまでここにいてもらうことになっている。
「では、飛龍様。私は、本殿で精神集中に入ります。泰山府君の儀を行う祭は、くれぐれも心乱すことなく泰然とした心持で行ってください」
神社の境内には俺とツクヨミの二人だけ。
四神は、まだ安静にしていなくてはいけない状態なので、連れて行くわけにはいかない。
父さんは、その四神の様子を見るために残り、紗綾はついてきたがったがイリネにまた何か言われたようで、シュンと項垂れたまま部屋へと引っ込んでしまった。
紗綾には申し訳ないとは思ったが、もとより一人で行くつもりだったので、大人しく引き下がってくれたのは正直ありがたい。
ツクヨミは、この場に一緒にいるが、それは一緒に行くわけではなく、ここの守りを完璧にするために来ている。
妖をすべて夜の国に帰したとは言っても、こちらから結界を施さない限り、夜の国との扉は開かれた状態にある。
そのため、俺が根の国に行っている間、手薄になってしまうので一時的な扉の鍵の役目を担うために、俺が戻ってくるまでここにいてもらうことになっている。
「では、飛龍様。私は、本殿で精神集中に入ります。泰山府君の儀を行う祭は、くれぐれも心乱すことなく泰然とした心持で行ってください」