まほろば【現代編】
とりあえず、目の前に見える通路のどれかを選択して進まなくてはいけない。

そのとき、手にしていた剣が震えた気がした。

何かに呼応するように。

ツクヨミは、この剣が『スサノオへ繋がる道を拓く』と言っていた。

ということは、この剣が導くままに進めということなのだろう。

改めて手にしている剣をしっかりと掴み、精神を集中させる。

すると、剣の意思なのか何かが掌からスルスルと体の中に滑る込んでくる感覚に囚われた。

目は閉じているのだが、まるで映画でも観ている様に、いろんな場面が脳内に流れ込んでくる。

銀色の髪をした人々が、どこかで忙しなく何かの作業をしている。

おそらく、そこにほとんどのここの住民とでもいうものがいるのだろう。

その数、四五十人といったところだろうか？

何をしているのかは、良くわからないが何かの準備をしている雰囲気は伝わってきた。
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