まほろば【現代編】
視線だけ横にずらせば、頬を掠めるようにスサノオの剣が戻っていくのが見えた。
「この剣はな、小僧も使ったのならわかるかも知れんが、外傷を与えるものではない。だがな、オレが使えばそれは意味を変える」
右頬に熱を感じる。
手で拭ってみれば、薄皮だけを切るように皮膚が横一文字に裂けているのがわかった。
血がタラリと流れ落ちる。
草薙剣は、スサノオが持つことで本来の力を発揮できるということなのだろう。
ますます気を引き締めなくてはいけないと思うのだが、それがわかったとして俺に何か策があるわけでもない。
スサノオは、だらりと腕を下ろしてあからさまに誘っているのがわかるのだが、今の俺にはその誘いに乗るしかスサノオに近づける気がしなかった。
再び、地を蹴り間合いを詰める。
そのまま突きを繰り出すが、剣で軽くいなされるとそのまま袈裟懸けに切りつけられた。
浄衣の胸元が切り裂かれ白地がうっすらと桃色に染まる。
またしても、薄皮一枚削り取られた感じだ。
「この剣はな、小僧も使ったのならわかるかも知れんが、外傷を与えるものではない。だがな、オレが使えばそれは意味を変える」
右頬に熱を感じる。
手で拭ってみれば、薄皮だけを切るように皮膚が横一文字に裂けているのがわかった。
血がタラリと流れ落ちる。
草薙剣は、スサノオが持つことで本来の力を発揮できるということなのだろう。
ますます気を引き締めなくてはいけないと思うのだが、それがわかったとして俺に何か策があるわけでもない。
スサノオは、だらりと腕を下ろしてあからさまに誘っているのがわかるのだが、今の俺にはその誘いに乗るしかスサノオに近づける気がしなかった。
再び、地を蹴り間合いを詰める。
そのまま突きを繰り出すが、剣で軽くいなされるとそのまま袈裟懸けに切りつけられた。
浄衣の胸元が切り裂かれ白地がうっすらと桃色に染まる。
またしても、薄皮一枚削り取られた感じだ。