まほろば【現代編】
スサノオが呆れたように肩を竦めるのがぼんやりと見えた。

「もう、諦めたらどうだ?どうあがいてもお前がオレに敵うわけがないぞ」

そんなこと言われなくたってわかってる。

チラリと視線をハルカに向ける。

まだ、気を失っているようで壁に凭れかかったままぐったりとしている。

その姿を見ただけでも胸が締め付けられる。

ハルカには、いつも笑っていてほしい。

ずっと、俺のそばで。

やっぱり、どうしてもハルカを諦めることなんてできない。

どうしてなのかはわからない。

ずっとずっと長いことその手が届きそうでいつもすり抜けていってしまっていた。そんな気分にさせられる。

だからこそ、もうハルカの手を離すことなんてしたくない。

その想いだけで、今俺は立っていられている。

後何度、スサノオに立ち向かっていけるのか……。
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