まほろば【現代編】
目の前には厳重に施錠された鉄の扉。
昨日、ここに来たときは足が竦んでどうしようもなかったのに、今日は私の意識がどこか遠いところにあるせいか、まったく動じることなく扉の前に立っていられた。
ただ、リュウに視線を向ければ明らかに動揺しているのがわかった。
リュウは、私なんかとは比べものにならないくらい気の流れを読むのが得意なんだから、いくら封印を施されているからといっても、その封印ですら抑え切れないほどの強い妖力の源が何に起因しているのかわかっているはず。
昨日の自分の状態のことを思うと、今のリュウが心配で仕方がない。
だけど、そんなことにはお構いなしにスサノオが、なにやら呪文のようなものを唱えると、幾重にも施されていた鍵が一気に開錠され、足元に鍵の束がドタドタドタと落ちた。
そして、今度は昨日ミツハさんがやっていたように九字を切ると、重々しい音を立ててその扉がゆっくりと開き出す。
その瞬間、やはり耐え難いほどの凄まじい悪意があふれ出してきた。
リュウの顔色がさらに悪くなるのがわかった。
昨日、ここに来たときは足が竦んでどうしようもなかったのに、今日は私の意識がどこか遠いところにあるせいか、まったく動じることなく扉の前に立っていられた。
ただ、リュウに視線を向ければ明らかに動揺しているのがわかった。
リュウは、私なんかとは比べものにならないくらい気の流れを読むのが得意なんだから、いくら封印を施されているからといっても、その封印ですら抑え切れないほどの強い妖力の源が何に起因しているのかわかっているはず。
昨日の自分の状態のことを思うと、今のリュウが心配で仕方がない。
だけど、そんなことにはお構いなしにスサノオが、なにやら呪文のようなものを唱えると、幾重にも施されていた鍵が一気に開錠され、足元に鍵の束がドタドタドタと落ちた。
そして、今度は昨日ミツハさんがやっていたように九字を切ると、重々しい音を立ててその扉がゆっくりと開き出す。
その瞬間、やはり耐え難いほどの凄まじい悪意があふれ出してきた。
リュウの顔色がさらに悪くなるのがわかった。