まほろば【現代編】
「そうだ」

そこまで深く考えたことはなかった。だが、引っかかるものはあった。

俺の表情を読んだのか、スサノオは小さく頷くとその事実を告げた。

「ハルカは、そのトヨの生まれ変わりだ。そして、トヨはヒミコの血縁者だ。その意味がわかるか?」

つまりは、ハルカとヒミコにも浅からぬ縁があるということだろう。

「何故、ヒミコを呼んだんだ?」

「それは、ハルカの今の精神力では力を使いこなすことができんからな。ヒミコを媒体とすることでハルカの力を最大限まで引き出すことができたというわけだ」

そう言いながら、ハルカの額を飾っている装飾品を取り上げた。

「これは、八咫鏡(やたのかがみ)の欠片で作ったものだ」

ちょうどハルカの額部分に当てられていたつるつるとした部分を触りながらスサノオがそう言った。

八咫鏡と言えば、これまた三種の神器の一つだ。
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