まほろば【現代編】
それが象徴するのはアマテラスオオミカミ。

「なるほどな。ハルカとヒミコの関係はわかった。でも、何故急にあの場面でヒミコが出てきたんだ?」

「それは、飛龍、お前の危機を目にしたからだろうな。ハルカは、自分だけの力じゃお前を助けられないと悟り、無意識で姉上を呼び出したんだ。まあ、そうなるように仕向けたのは他ならぬオレだがな」

やはりスサノオはわざと俺に致命傷を与えない程度に、それでもかなり際どい傷を負わせていたのだろう。

「それにな、真人たちを救うためにはハルカの力だけでは足りない。お前の力も必要だったからな」

「俺の力?」

「そうだ。ハルカが後生大事に持っていた勾玉。あれは、お前のものだろう?」

さっき俺の中に溶け込むように消えていった勾玉。

アレは、俺のというよりハルカが過去に行ったときにアキにもらったものだといっていたはずだ。

だから、首を横に振ればスサノオは少し意外そうな顔をして首をかしげた。
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