まほろば【現代編】
どうやら、地上へと戻ってきたらしい。そして、妙なざわめきが耳に入ってくる。
振り返ってみて、思わず目を見開いてしまった。
そこには、溢れんばかりの銀髪の人々がひしめいていた。
彼らは、一様に戸惑ったような表情を浮かべ、所在なさげに立っている。
「スサノオ様……」
横でポツリと呟く真人の声が聞こえた。
さっきのあの一瞬で、スサノオは俺たちだけではなく根の国にいたツチグモ一族全員を地上に戻したということなのだろう。
いきなり、こんなところに出てくればそれは戸惑って当たり前だ。
その銀髪の人々の中から、一人の俺と同じ歳ぐらいの少女がこちらに駆け寄ってきた。
「真人!」
涙を流しながら、それでもとても嬉しそうな笑顔を浮かべる彼女を見て、真人の顔も綻ぶ。
「カグヤ」
カグヤと呼ばれた少女は、そのまま真人に抱きつくと「良かった」と心の底から安心したような声を漏らした。
真人は、そんな彼女の頭を優しくなでながら「心配かけたね」と同じく優しい声で応える。
俺は、未だ戸惑いを見せているツチグモ一族に再び視線を向けた。
俺の使命は、彼らにこの地上に居場所を与えてやることだ。
急には無理かもしれないが、それでも少しずつ彼らの心を解きほぐしていけたらいい。
もう二度と、彼らが闇に陥らないようにその手助けをしていきたい。
彼らが、心からこの国を好きだと思ってもらえるように……。
振り返ってみて、思わず目を見開いてしまった。
そこには、溢れんばかりの銀髪の人々がひしめいていた。
彼らは、一様に戸惑ったような表情を浮かべ、所在なさげに立っている。
「スサノオ様……」
横でポツリと呟く真人の声が聞こえた。
さっきのあの一瞬で、スサノオは俺たちだけではなく根の国にいたツチグモ一族全員を地上に戻したということなのだろう。
いきなり、こんなところに出てくればそれは戸惑って当たり前だ。
その銀髪の人々の中から、一人の俺と同じ歳ぐらいの少女がこちらに駆け寄ってきた。
「真人!」
涙を流しながら、それでもとても嬉しそうな笑顔を浮かべる彼女を見て、真人の顔も綻ぶ。
「カグヤ」
カグヤと呼ばれた少女は、そのまま真人に抱きつくと「良かった」と心の底から安心したような声を漏らした。
真人は、そんな彼女の頭を優しくなでながら「心配かけたね」と同じく優しい声で応える。
俺は、未だ戸惑いを見せているツチグモ一族に再び視線を向けた。
俺の使命は、彼らにこの地上に居場所を与えてやることだ。
急には無理かもしれないが、それでも少しずつ彼らの心を解きほぐしていけたらいい。
もう二度と、彼らが闇に陥らないようにその手助けをしていきたい。
彼らが、心からこの国を好きだと思ってもらえるように……。