まほろば【現代編】
それに後押しされるように一歩前に踏み出した。

最終的には小走りになって二人の元へと辿り着く。

私が何か言う前に、カグヤさんが先に言葉を発した。

「ハルカさん、ありがとう」

「えっ?」

「オレからも言わせてもらうよ。遙ちゃん、本当にありがとう」

「えぇ!?」

何でお礼を言われるのかが全くわからない。

二人は、驚いている私を見て不思議そうに顔を見合わせている。

「もしかして、何も覚えてない?」

真人君の言葉に、記憶の糸を辿ってみた。

徐々に思い出してはきたが、肝心のところはすっぽりと抜けている。

「そっか、覚えてないのか。でも、遙ちゃんがいてくれたから、今のオレはいるんだから、だから、やっぱりありがとう」
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