まほろば【現代編】
「結界には、その四神の力が必要不可欠なんだ」

「うん。だから、結界を張るお手伝いをするんでしょ?」

「まあ、そうなんだけどね。だけどね」

そこで、ホムラがちょっと言いよどんだ。

「どうしたの?」

不思議そうにホムラを見つめるハルカに、少し寂しげな笑顔を見せた。

「おそらく、結界の張りなおしが終わったら、もうボクたちとハルカたちが出会うことは二度となくなっちゃうはずなんだ」

「……えっ?」

どうやら、ハルカの思考がホムラの言葉を理解するのにしばらく時間がかかっているらしく、混乱しているような表情を浮かべている。

そして、やっとその意味に気づいたのか今度はジワリと目に涙がたまりだした。

「ウソ……」

ツーッと、その可愛い頬を涙が流れていった。

その涙をホムラが優しく拭う。
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