まほろば【現代編】
「えっ?」

思わず手を放して、まじまじと目の前の少年を観察する。

アキやリュウとはまた違った形の美少年だった。

身長は、小さな私と同じぐらいかちょっと高いくらい。

赤茶色の髪の毛は、フワフワと柔らかいくせっ毛で、大きくてパッチリした瞳は、赤の強い茶色。

まるで、瞳の中に炎でも宿しているかのようで、外見にはそぐわない激しさを感じる。

綺麗に生え揃った真っ白な歯を縁取る唇も、紅でも引いたかのように紅い。

それらが、柔らかくて白い肌の上に乗せられていた。

「ホムラ?」

半信半疑のまま誰に問うでもなくそう呟いていた。

「うん。そうだよ、ハルカ」

かわいらしい声を響かせて、にっこりと微笑んでそう答える少年の顔には、まったく邪気がなかった。

目の前の少年の口から、自分の名前が出てきたことでひとまずの疑問は解決したが、いきなりの展開に対処できない。
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