まほろば【現代編】
「どうやら、ホムラもハルカもレベルアップしたみたいだな」

レベルアップって。

ゲームの中の主人公じゃあるまいし。

声の主に説明を求める視線だけの無言の投げかけをする。

私の視線に気づいているくせに、涼しい顔で澄ましているリュウは、悔しいけどやっぱり見惚れてしまうほど綺麗だった。

「ハルカ、ゴメンネ」

一人悔しがっている私に、かわいらしい声がかかった。

ホムラと思われる少年が、本当にすまなそうな顔をして項垂れている。

何だかいたいけな子供をいじめているような変な気持ちになる。

「な、何で謝るの? ホムラは別に悪いことしてないよ」

ちょっとどもりながら話す私に、それでも申し訳なさそうに上目遣いでこちらを見ている少年。

スッとその手が伸びて私の頬に触れる。
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