となりにひみつ
ピーンポーン
ピーンポーン
ピーンポーン
うちの玄関のチャイムは壊れていた。
一度押しただけで三度も音が鳴るのだ。
………なんてこと、あるはずない。
ピーンポーン
ピーンポーン
あーもう、うるさい。
今何時だ。まだ午前7時じゃないか。
今日は水曜日だが、春休みなのでそんなことは関係ない。
お願いだから私を寝させてくれないかな。
ピーンポーン
ピーンポーン
ピンポンピンポンピンポンピンポン
「うっるさいなー!壊れちゃうよ、うちの玄関!誰か出てよー!」
布団から顔だけ出して大声を張り上げてみたものの、誰からも返事がない。
おそらく母も父も兄も弟も未だ夢の中なのであろう。
なんせうちの家族は朝が弱いのだ。
「ったく、仕方ないなー」
私は身震いしながらベットからおり、パジャマの上に薄手のカーディガンを羽織った。
もう4月1日だとは言えども、まだ暖かいとまではいかない。
まだベッドにいたかったのになぁと思いつつも、階段を急いで降りた。
ピーンポーン
ピーンポーン
まだ鳴り続けるチャイム。
きっとこの音に私は焦っていたのだろう。
いつもインターホンを通し誰かを確認してからドアをあけていたのに、今日はなぜだかそのままドアへ向かってしまった。
「はいはいはーい、今開けますからねー」
そんなことを言いながら、ドアを開けてしまった。
がちゃり
そして、私が見たもの。
それは…
「こんにちは」
とっても綺麗な顔立ちの、身長が少し低めな男の人でした。