別れ道での約束
上手く出来ない自分に落ち込む。


「咲良…、ここから描いてみろよ」


涼太が私が描いたリンゴの右端を軽く叩いた。

涼太をアドバイスに感謝して、言われた場所からもう一度描き始めた。


「望月くん、いい感じになってきてるね」


教授に褒められた。

私は単純だから、褒められると嬉しくなって、さらに頑張ろうとする。


「涼太、さっきはありがとうね」


デッサン室を出た廊下でお礼を言う。


「俺はヒントをやっただけ。あとは咲良の実力だって」


「えー、涼太のおかげだよ。ほんと助かったもの」


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