別れ道での約束

目指している美大は東京にあった。


時間はかかるけど、何とか自宅から通える距離なので親からは受験する許可をもらっていた。


「浅見くんの夢は？」


何になりたいのだろう？


‘俺は…卒業したら、北海道に行くつもり’


「北海道？」


まさかそんな遠くに行こうとしているなんて、予想もしてなくて、ビックリした。


大智の夢は動物と関わることだという。


「獣医になりたいの？」


‘うん…犬とか猫とかペットになる動物じゃなくて、馬とか牛とかを診る獣医になりたいんだ。ほら、牧場にいるような’


なるほど、それで北海道なんだ。