別れ道での約束
今日も私の家まで送ってくれた。


「じゃ、また明日の朝な」


「あ、大智!」


背中を向けた大智を呼び止める。


「ん?」


7月は6時過ぎてもまだ明るい。


夕日が大智を照らしていて、髪の毛がオレンジ色っぽい茶色になっていた。


きれい…。


と、見取れている場合じゃない。


「あの、夏休みって、やっぱり部活あるよね?」


夏休みにずっと会えないなんて、寂しい。


何でもいいから会う約束が欲しかった。


けど、自分から誘う勇気が出ない。


「ん、ほとんど部活だけど、休みもあるよ。部活も一日中じゃない日もあるから、時間が合えば一緒に帰る?咲良も部活の日あるだろ?」
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