別れ道での約束
美術部の夏休みの活動は週3日だけで、それも午前中のみだった。


「じゃ、午前中で終わる日は連絡するよ。一緒に帰ろう」


ただ一緒に帰るだけの約束、週に一回しか会えないかもしれない約束。


それでも会えることが嬉しかった。


だって


大智が大好きだから。

少しでも一緒にいられるなら嬉しい。


いつから好きになっていたのか分からないけど、気付いたら好きになっていた。


好きという自分の気持ちに気付いたのは、5月の半ば頃だった。


でも、気持ちを伝えることが出来ずに夏休みを迎えてしまう。
< 34 / 261 >

この作品をシェア

pagetop