別れ道での約束
手はずっと繋いだままで流れる。


恥ずかしいけど、心地良くて安心出来て、離したくない手だ。


流れるプールは混雑していたから、周りにぶつからないようにと大智が気を遣ってくれていた。


大智は本当にさり気なく優しい。

女の子の扱いにも慣れている気がする。

手を繋ぐだけで、ドキドキしているのは私だけじゃないかな。


「咲良?どうしたの?疲れた?」


考え事をしてしまった私は疲れた顔に見えてしまったようだ。


「ううん、楽しいね」


本当に楽しい。


「うん。まだ夏休み始まったばかりだし、また来ような」
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