別れ道での約束
えっ?

まさか?私たちもああいう風にくっついて滑るの?


私がもじもじしていると、「行くよ」と強引に手を引かれて連れて来られた高い場所。


私…高いとこ…苦手だったのかも。
足が震え出す。


「じゃ、俺が先に行くから、後から来いよ」


「え?待って…!」


震える私に気付かないで、大智は先に滑っていった。


恐る恐る下を見ると、滑り終わった大智が呑気に笑顔で手を振る。


「お客様、大丈夫ですか?」


係員のお姉さんが青ざめる私を見て、心配そうに聞く。


大丈夫じゃないけど、行かなくちゃ…。
下で大智が待ってる。


「すいません、押してもらえますか」

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