私の婚約者は特殊捜査官
・・・でも、

それは一瞬の事でしかなかった。

・・・

急に無表情になった隆弘は、

私を見つめて言った。

「琴美さんは、誠さんにそっくりですね?」

「・・・え?!」

・・・

誠さん・・・

誠とは、私の父の名前。

なぜ父を知ってるの?

この人は父と知り合いなの?

・・・

「誠さんは正義感がとても強い。

いつも冷静で、部下にも慕われる

素晴らしい方だ・・・」


「なぜ父の事を、

そんなに知ってるんですか?」


「私の父と、誠さんは、

警察の時の同期でした・・・

あの事件さえ起こらなければ、

父も・・そして母も、

死なずに済んだはずなのに・・・」

そう言った隆弘の顔は、

とても悲しそうな顔をしていた。

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