私の婚約者は特殊捜査官

「私を捕まえたところで、

父はビクともしません。

私もちっとも怖くない・・・

誘拐する相手を、間違えたみたいですね？」

・・・

私は毅然とした態度で言った。

・・・

ここで怖がっていては、

相手の思うツボ。

・・・

しかし私の態度は、

裏目に出たようだった。

・・・

私に近づいたかと思えば、

顎をグイッと持ち上げ、

ニヤッと笑った。

・・・

「女のくせに、いい度胸だ。

だが・・・

その態度がいつまで続くかな？

私の標的は君だけじゃない」


「なっ・・」


「誠さんの腹心の部下、

大河内秀・・・

琴美さんの大事なフィアンセも

狙ってますから・・・

先に命を落とすのは、貴女か・・・

それとも彼か・・・」