私の婚約者は特殊捜査官
思っても見ない言葉に、

驚きを隠せない。

・・・

目を見開いたまま、

理子を見つめた私。

・・・

そんな私を見て優しく微笑んだ理子。

・・・

「隆弘様は、

本当はとても気立ての良い方なんです。

今は過去の事に囚われて、

自分を見失っているだけ・・・

私は隆弘様をお慕いしています。

ですから、過ちなど犯してほしくはない。

ここにいる間、琴美様をお客様として、

誠心誠意尽くしますので、今はただ、

黙って見守ってください」

・・・

理子は私に深々と頭を下げた。

・・・

理子は隆弘の事を好きなんだ。

・・・

ここに来た時は、

暗闇に放り込まれて心細かったけど、

こんな人が一人でもいるなら、

少しは安心していいのかもしれない。
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