私の婚約者は特殊捜査官

秀side

「クソッ!」

・・・

オレは机を蹴り飛ばしていた。


「落ち着け」

前園さんがオレを宥める。

・・・

防犯カメラの映像から、

隆弘が体に巻きつけていた物が、

張りぼて・・・

オモチャだと言うことが分かった。

・・・

それなのに、

一瞬の事で、誰一人、

それが偽物だと気付くことが出来なかった。

それがわかっていたら、

琴美をすぐにでも

取り返すことができたのに・・・

・・・

そう思うと悔しさで一杯だった。

・・・

「これが落ち着いていられますか?

それがオモチャだとわかっては、

隆弘を引っ張ってくることすらできない・・・

琴美も自分から隆弘の元に行った事に、

同意してしまってるし・・・」
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