私の婚約者は特殊捜査官
・・・

隆弘の言葉に、

平静を装っていたが、

背筋には冷たいものが流れていた。

・・・

「…無事だったんですか?!」

わざとらしくも見える驚き様。

・・・でも、

これくらい驚かないと、

もっとおかしなことになりかねない。

・・・

「…ええ、私にとっては残念な結果、

しかし、琴美にとっては、いい結果。

まぁ・・・

今回の事は、一応、想定内だった」

そう言って隆弘は微笑んだ。

・・・

想定…内?

私はマジマジと、隆弘の顔を見る。

・・・

隆弘は笑顔を止めることなく、

私に言った。

・・・

「だてに、特殊捜査官と、

何ついた集団じゃないってことですよ。

スパイがまだいる事は、わざと、

あちらに知らせておいた・・・

少しでも、向こう側を安心させるために」
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