不器用な恋人2【短編】
少し震えた佳世の唇に舌を入れ込んだ。


佳世の飲んでいた甘い酎ハイの味が淫靡に伝わる。。




「──…ふぁ」


逃げる佳世の舌を執拗に追いかけ、佳世の吐息が漏れる。





欲しいと思った…


佳世の心の全てを。



伝えたいと思った…


俺の心の全てを。






「……ふぁっ」


唇を離すと顔を真っ赤にした佳世の潤んだ瞳が俺を見つめていて……




その瞳の前では

作り上げられた理性なんて無力だ。





もう………

俺の心は

止まらない…──







「…信じてよ」


─…俺を
信じてよ。



─…だから
離れないでよ。






「私…真樹に自分は似合わないって…どうしてもどうしても不安で……」



佳世の瞳から大粒の涙がポロポロと落ちた。




「……バカだろ、お前」




本当に大バカ野郎だ……。
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