不器用な恋人2【短編】
俺たちは店をあとにして、手をつないで佳世の家への道を歩いた。
何気ない話をして
手のひらから伝わるぬくもりを握りしめて
誰より幸せな気分で……─。
「…じゃ」
この十字路を曲がればもう佳世の家。
「うん。ありがと」
「またな」
「またね」
つないでいる手が離せない。。
「また連絡する」
「うん。私もする」
───………。。
なんだ??
永遠の別れでもあるまいし……。
なのに……
佳世の手が離せない。
ああ……
そうか…………
「─…真樹??」
「ずっと佳世の手は俺が離さないから」
この言葉が
言いたかったんだ…。。