For 10 years
しかもその横で笑っている絢華ちゃんの笑顔に……


ドキッ――…とした。


今まで見た中で、一番綺麗な笑顔だと思った。


絢華ちゃんにとって、彼氏が明らかに特別な相手だってわかる。



その日の帰り……


同じく帰ろうとしている絢華ちゃんに、裏口で会った。



「絢華ちゃん、お疲れ」



そう声をかけると……



「あ、お疲れ様です。隼人さんも今あがりですか?」



いつもの笑顔で答えてくれる。


そんな絢華ちゃんを見ていたら……



「今日は大騒ぎだったな?」



この話題は避けたいくせに、思わず口に出していた。



「絢華ちゃんの彼氏が来てたんだろ?」


「うん。凄く目立つ人なんですよ」


「そうみたいだな」



すっげぇ嬉しそうに話す絢華ちゃんを見て、胸が痛くなる。
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