For 10 years
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進藤さんに、イブのお願いをしてから約一週間後……



「隼人さん」



仕事終わりが一緒になった絢華ちゃんに、声をかけられた。



「あ、絢華ちゃん、お疲れ」


「隼人さんもお疲れ様」



そう言った絢華ちゃんは、何か言いたげに俺を見上げている。



「ん?どうした?」


「あの、イブのお休みありがとう。昨日店長から聞いたの」



あ……


進藤さん、話してくれたんだ。



「隼人さんにはいつもよくしてもらうばかりで……あたし、何も返せていないのに」



絢華ちゃんは申し訳なさそうに言うけれど……
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