For 10 years
絢華ちゃんはファミレスの窓から空を見上げながら……



「今もパパは、優華と蒼太とママのことを見てるから、寂しくないよ」


「ゆうかもパパがみえたらいいのに」


「ほんとだね」



きっと絢華ちゃんは、こうやって言葉にすることで、自分にも言い聞かせてる。



「絢華ちゃん、大丈夫?」



俺の口からついこんな言葉が出た。


大丈夫なはずねぇのに。



「……いつまでもあたしがメソメソしてるから、蒼太と優華にも伝わっちゃうのかな」


「絢華ちゃんは頑張ってるよ。俺で力になれることがあったら、何でも言ってくれな?」



本気でそう思う。


でも実際は、絢華ちゃんが俺を頼ってくることは、ほとんどない。



「隼人さん、いつもありがとう」



だから……
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