For 10 years
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そして優華の誕生日当日。


蒼太と優華を保育園へ迎えに行ってから、絢華ちゃんのアパートへ向かった。



「ママー、ただいまぁ」


「蒼太、優華、おかえり。隼人さんありがとう」


「いや、久しぶりに保育園行ったら、ちょっと緊張した」


「そうだよね。あの雰囲気は独身の男の人には辛いかもね」



保育園のお迎えは、ほとんどが母親で、祖父母がたまにいるけど、父親はあまりいない。


だから、お迎えついでに、母親達がかたまって話し込むとか、あーいう雰囲気は正直苦手だ。



「はやとー、いっしょにあそぼう」


「こらっ蒼太!呼び捨てにしちゃダメ!」


「はは、絢華ちゃん、いいよ。なんか、呼び捨ては友達の印なんだってさ」


「え、友達?」


「そうだよ、ママ。けいごもりくもこうへいも、ともだちはみんな“くん”とかつけないんだよ」



実は……


俺も今日、保育園で“隼人”と呼び捨てにされた時は、マジでビックリした。
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