For 10 years
「絢華ちゃんさえ良ければ、蒼太と一緒に入っちゃうけど」


「ゆうかもはやとくんとはいる!」


「ちょっ、優華までっ」


「絢華ちゃん、いい?」



絢華ちゃんはしばらく考えたあと、



「隼人さん、お願いします」



その言葉を聞いた瞬間、すっげぇテンションがあがった。



「よしっ!ママの許可をもらったから入るぞ!」


「「わぁーい!」」



その場でジャンプしながら喜ぶ二人と一緒に、風呂に入った。


浴槽に入ると、二人ともお湯をかけあって遊びだした。


こうやって子供と風呂に入るのは、優華が生まれた時に、預かっていた蒼太と一緒に入って以来。


絢華ちゃんの前では、かっこよく『俺が入れる』って言ったけど、久しぶりすぎて正直かなり緊張してた。


でもこの二人を見ていると、普通にしてりゃいいんだって、肩の力が抜けた。



「隼人さん」



ふと、すりガラス越しに絢華ちゃんの声が聞こえた。



「絢華ちゃん?」


「あの、ここに着替えを置いておくから、良かったら使って」


「ありがとう」
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