For 10 years
「わかってるよ、わかってる。……今はそれよりも、俺がただ、絢華ちゃんの傍にいたいだけなんだ」
そうなんだ。
ただ傍にいて支えてやりたい……
その思いが強いんだ。
「隼人さんっ」
「絢華ちゃん、ゆっくりでいいから、ほんとに少しずつでいいから、俺のことを考えてくれるようになってくれたら、……嬉しい……」
絢華ちゃんは見るからに困った顔をしている。
でも俺は、絢華ちゃんにそんな顔をさせたいわけじゃない。
「絢華ちゃん?困ってるよな?」
「えっ、あ……」
やっぱり、困ってる。
「じゃあとりあえず今のままでいい。プラスαで、ちょっとだけ意識してくれたら嬉しいかも」
「隼人さん、ありがとう。すぐには無理だけど、あたしもちゃんと前を向いて歩いていかなきゃって思ってるから、少しずつ……でいいなら」
「ん、それで充分」
“少しずつ”……
この時は……
ほんとにそれで充分だと思っていたんだ。
でもまさか、あんなにあっさりと……
絢華ちゃんの心が動くなんて……
思いもしなかった――…
そうなんだ。
ただ傍にいて支えてやりたい……
その思いが強いんだ。
「隼人さんっ」
「絢華ちゃん、ゆっくりでいいから、ほんとに少しずつでいいから、俺のことを考えてくれるようになってくれたら、……嬉しい……」
絢華ちゃんは見るからに困った顔をしている。
でも俺は、絢華ちゃんにそんな顔をさせたいわけじゃない。
「絢華ちゃん?困ってるよな?」
「えっ、あ……」
やっぱり、困ってる。
「じゃあとりあえず今のままでいい。プラスαで、ちょっとだけ意識してくれたら嬉しいかも」
「隼人さん、ありがとう。すぐには無理だけど、あたしもちゃんと前を向いて歩いていかなきゃって思ってるから、少しずつ……でいいなら」
「ん、それで充分」
“少しずつ”……
この時は……
ほんとにそれで充分だと思っていたんだ。
でもまさか、あんなにあっさりと……
絢華ちゃんの心が動くなんて……
思いもしなかった――…