For 10 years
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「隼人さん、何か飲む?」


「ん、もらおうかな」



みんな風呂に入って、蒼太と優華は疲れたのかすぐに寝た。


絢華ちゃんがアイスコーヒーを淹れてくれて、それを手渡された。



「ありがとう」


「こっちこそありがとう。夏祭りを見に来てくれたうえに、またお風呂に入れてもらっちゃって」



絢華ちゃんは申し訳なさそうに言うけれど……



「いや、俺も楽しかった。……そうだ、来週の花火大会一緒に行かねぇ?」



花火大会……


もっと前へ進むきっかけがほしくて、前もって調べておいたんだ。



「来週?」


「ん、蒼太と優華は花火好きじゃない?」


「好きだよ」



あ、やべっ…


花火の話をしてるのに、自分に言われたみてぇにどきどきした。



「あ、なんか今ドキッとした、はは」



そんな俺の言葉に、絢華ちゃんは困った顔をしてる。


そりゃそうか。



「予定ある?」


「ないよ」


「じゃあ、行ける?」


「うん」



よっしゃ!


心の中でガッツポーズを決めた。
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