For 10 years
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翌日、進藤さんにお願いして、俺の休憩を絢華ちゃんの休憩と一緒にしてもらった。


目の前に座った絢華ちゃんに、意を決して聞いた。



「絢華ちゃん、昨日のって……」



少し間を置いて、絢華ちゃんが少し言いにくそうに口を開く。



「隼人さん、……あたし、昨日の彼と付き合い始めたの」


「……」



やっぱりそうか。


そうかなとは思っていたけれど、直接告げられるとすっげぇ胸が痛ぇ。



「隼人さんには、ちゃんと言わなきゃって思ってたんだけど」


「ん」



ああ、ショックすぎて言葉にならねぇ。



「隼人さんって、あたしにとっては、ずっとお兄ちゃんみたいな存在だった。今でもそうだけど」


「お兄ちゃんか……」


「だからいっぱい助けてもらったし、凄く頼りにしてた」



『おにいちゃん』


何となくそう思っていた。


万が一、俺と絢華ちゃんがそういう関係になれていたとしたら、きっともっと早くに絢華ちゃんの気持ちは俺へと動いてる。


何となく想いは通じないんだろうなとは、思っていた。



「ほんとにありがとう」


「なんか、複雑だな」


「……」
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