For 10 years
「じゃあ、今日俺早番だから、保育園へ迎えに行って、そのまましばらく預かるよ。夕食までにはアパートまで送っていくから。いい?」


「……うん。じゃあ保育園に連絡しとく」


「ん、じゃあ俺、休憩終わりだから。絢華ちゃん、あんまり悩むなよ」


「……うん」








仕事が終わって保育園へ向かう。


どうやったら、絢華ちゃんのいつもの笑顔が見れるようになるんだろうかと考えて、俺の脳内に浮かんできたこと……


来月、絢華ちゃんの誕生日だ。


でも……


その計画は、俺だけじゃどうしても無理だ。


俺としてはあまり望ましくはねぇけど、……頼んでみるしかない。


保育園に着き、蒼太が俺を見つけたとたん……


こっちへ走ってきて、俺に飛び付いてきた。



「はやとくんだ!ファミレスじゃなくてもあえるの?」



ファミレス?


絢華ちゃんがそう言ったんだろうか。



そのまま二人を俺のアパートへ連れてきた。
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