For 10 years
「だったら、ママと舜兄ちゃんが横に並ぶことを、ちゃんと“いいよ”って言ってやらねぇと」


「でも、そしたらはやとくんとあそべなくなるもん」



泣きそうな顔でそう言う蒼太が、すっげぇ可愛い。


それに、俺のことをそんな風に思ってくれているなんて、すっげぇ嬉しい。


だけど……



「全然会えなくなるわけじゃねぇんだから……な?」


「ほんと?」


「ん、ほんと」



俺がそう言うと、蒼太も優華も笑顔になった。



「じゃあ、ママとしゅんにいちゃんがならんでもいいっていう!」


「ん、きっと、ママは喜ぶぞ」


「うん!」



二人がようやく笑顔になった。


きっとこれで、絢華ちゃんも笑顔になるはずだ。



「よしっ、じゃあ、今からママのお誕生日の飾りを作るか?」


「かざり?」



二人とも首を傾げる。



「お部屋を可愛くしたら、ママが喜ぶと思わねぇか?」


「おもう!かざり、つくる!」


「ゆうかもつくる!」



俺から言い出したことだけど、正直、飾り作りとかしたことはない。


でも、蒼太も優華も作り慣れているのか、折り紙を折ったり、切ったりしてうまく作ってる。
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